- 水が日本酒造りになぜ大事なのか?
- 日本酒造りに適した水はどんな水か?
- 水の違いによって、日本酒の味や特徴はどう変わるのか?
- 男酒、女酒とは何か?
日本酒造りに使われる水は「仕込み水」と呼ばれます。日本酒の特徴の決め手の一つがこの「仕込み水」の水質です。
理由は
- 水の中のミネラルが日本酒造りに使う菌のエサになるから
- 水の中の重金属(鉄分)がお酒の色を悪くするから
- 軟水と硬水とで日本酒の味わいが変わるから
などが挙げられます。
また日本酒は地域によって特徴が異なります。これは水質が地域によって異なるからです。使われる水によって日本酒の特徴がどう変わるのかを知っておくと日本酒選びが楽しくなります。
そこで「水」と日本酒について説明していきます。
仕込み水のミネラルが微生物のエサになる
日本酒は米を発酵させてできます。この発酵は微生物の力で行われるので、微生物に栄養を与えて元気に活動してもらう必要があります。その栄養になるのが仕込み水の中のミネラルです。
ミネラルの中でも日本酒造りに必要なのが
- カリウム
- リン
- マグネシウム
の3つです。
これらの栄養素が含まれた水が日本酒造りには必要になります。
鉄分は日本酒の色を悪くする
反対に仕込み水の中に無い方が良い栄養素もあります。それが鉄分です。
鉄分は日本酒の色を悪くさせます。
これは日本酒に限らずで、例えば水道が褐色ぽい水が出てきた!というニュースを聞いたことがあるかと思います。鉄分の濃度が高い水は黄色や褐色に見えてしまいます。
普通に飲む水でも嫌なものですが、日本酒は透明で爽やかなイメージを持つものが多いので特に問題になります。
軟水だと「マイルド」、硬水だと「しっかり」した呑み口になる
冒頭で仕込み水の中のミネラルが微生物のエサになると説明しましたが、ミネラルの濃度によって日本酒の特徴が次のように変わります。
- 「軟水」だと柔らかくマイルドな呑み口になる。
- 「硬水」だと重めのしっかりとした呑み口になる。
ただこれは少々分かりにくい表現かもしれません。
そこでこの違いを理解するにはミネラルウォーターを飲み比べてみることをオススメします。軟水と硬水を飲み比べてみると↓のような違いが分かります。
- 「軟水」はさらさら、すーすーと喉を通る
- 「硬水」は喉を通るときイガイガする
この感覚が日本酒にも反映されます。
機会があれば仕込み水を飲んでみるのもおすすめです。マイルドな日本酒の仕込み水は、喉をすっと通ります。
- 「軟水」はミネラル分の少ない水
- 「硬水」はミネラル分の多い水
のことです。
「灘の男酒、伏見の女酒」ってどういう意味?
「灘の男酒、伏見の女酒」という言葉があります。
灘とは兵庫県の灘のことです。この地域の水は中硬水なので、灘で造られた日本酒は口当たりが強くしっかりとした呑み口のになります。
また伏見は京都府京都市の伏見です。この地域の水は軟水であるため、伏見で造られた日本酒は柔らかな口当たりになります。
このようなことからそれぞれ「男酒」、「女酒」と呼ばれるようになりました。
参考にした本
最後にこの記事の参考にさせて頂いた本の紹介です。日本酒の基礎知識から深い知識まで広く書いてあるので、
日本酒の違いが分かるようになりたい方や、自分で日本酒を選べるようになりたい方には特におすすめです。
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